4【演説全文】高市早苗氏 自民党総裁選挙2025
皆さまこんにちは。高市早苗、奈良の女です。大和の国で育ちました。それでですね。奈良の女としては奈良公園に1460頭以上住んでいるシカのことを気にかけずにはいられません。万葉集にももうすでにシカのことを詠んだ歌がたくさん載っています。大伴家持の歌にも角の大きなオジカのことをうたった歌がございます。高円の秋の野を流れるこの朝霧の中を妻を求めて泣くオジカが今立って歩いていく。そういう意味の歌です。下手ですが。「高円の秋野の上の朝霧に妻呼ぶ雄鹿出で立つらむか」。ありがとうございます。
連れ合いの愛するメジカを呼んでオジカがすっと立ったという、その光景がまるで目に浮かんでくるようじゃないですか。1300年も前から奈良にはもうシカがいて、それも夫婦仲のむつまじいシカがいて、歌になっていたということが分かります。
そんな奈良のシカをですよ、足で蹴り上げるとんでもない人がいます。殴って怖がらせる人がいます。外国から観光に来て、日本人が大切にしているものをわざと傷めつけようとする人がいるんだとすれば、皆さん、何かが行き過ぎている、そう思われませんか。SNSでも目にしますよね。神社の鳥居を鉄棒か何かのように見立ててぶら下がって、そして遊ぶ観光客がいるとか。神社を何と思っとるんでしょうか。古い古いものが大切に大切にされているところに、そういう日本人の気持ちを踏みにじって喜ぶ人が外国から来るようなら、何かをしないといけません。私、高市早苗、日本をかけがえのない国にしてきたこの古来の伝統を守るために体を張ります。
世界中、たくさんの観光客が訪れてくださる。これはとてもうれしいことです。また日本の産業には人手が足りていないところがいっぱいあるので、外国から働き手の方々に補ってもらわなければいけないところがある。これも確かな話。それはそのとおりなんです。
だとしても、こういうことはゆっくりゆっくり進めていかなあきません。急に物事を進めたり、焦ってやっては日本の社会をとげとげしいところにしてしまうだけでございます。長らく日本に暮らしておられる外国人の方々にも、そのとばっちりがいって、つらくあたるようなそんな国、社会には私は絶対にしたくありません。
また一方、外国人の方を雇う方が得になるといった制度もあります。警察でも通訳の手配が間に合わないから、逮捕はしても、この勾留期間が来てですね、期限が来て、不起訴にせざるをえないとか、よく聞きます。これっておかしいですよね。不公平じゃありませんか。まあ何か私たちが持っている公平・不公平、正義・不正義、この感覚を逆なでするような事態が外国人が増えて残念ながらいろいろ出てきている。毎日毎日、そんな話を見たり聞いたりして日本人は我慢強いですから、みんな、ぐっとことばを飲み込んでますよ。
でも日々のイライラが募るということは、もうこの際、申し上げます。絶対によくありません。これは食い止めないと。私は外国人との穏やかな、お互いに思いやりを持って生きられるつきあい方はどうすればできるんか。いっぺんゼロベースで考えるつもりです。毎年毎年、私たちと文化や何もかもがあんまりにも違う人たちをまとめて入れていくということ。この政策はいったん考え直さなあきません。経済的な動機でやって来て、難民を主張する人、きちんとお帰りをいただきます。
また不法滞在の人たちにも厳格に法律を守っていただきます。そのために必要な、例えば入国警備官のような法執行のフロントラインを担う方々に、私は心からの敬意を払います。これは待遇を改善し、人数も増やさなければなりません。私、高市早苗は、日本の経済をこうやって伸ばす、ああやって勢いをつける、そういうことなら詳細にお話することができます。1時間でも2時間でもです。皆さまご承知やと思います。しかしその根底にあるのは不正義を見逃さない。「公正や公平を重んじて、おかしなことを野放しにしない」という、そういう決意でございます。
坂本龍馬が言いました。3つ年上の乙女姉さんに宛てた手紙です。「日本を今一度せんたくいたし申候」。高市早苗これを頂きます。日本をいま一度、洗濯します。長いことかけてたまった染みや汚れ、すっきりさせます。公平で公正な日本を実現して若い方に「ああよかった」と思ってもらえるようにします。そのため、私、高市早苗は決意を強く、まっすぐに立って推進してまいります。
いま申し上げた不正義を見逃さない政策は、太陽光パネルからの大転換にもつながります。大体おかしいと思いませんか。釧路の湿原に太陽光パネルを敷き詰めるようなやり方、先ほどの外国人を雇用するほうが何か割に合うといった、こういう理不尽な事態も同じなんですけれども、ゆがんだ補助金による結果やと思います。もともとはよかれと思って私たちがつくった制度であっても、間違ったシグナルですとか、行き過ぎたアクセル、これになるとおかしな結果を生んでいるというものがいっぱいあります。私、高市早苗、補助金制度、いっぺんすっきりさせて大掃除をして、本当に役に立つものを絞り込む。こういった取り組みを始めます。
ここからは、高市は一体全体どうやって政策を実行にもっていくつもりなんかということに話を移します。昨日は亡き安倍晋三総理のお誕生日でしたね。安倍総理は1次政権を短く終えられたあと健康を回復されました。そして、そこで生まれた自信を持って2次政権を始められたとき、総理官邸の組み立て方、それから内閣や党の陣立て、ここに心を配られたわけでございます。ここに私、高市の見習うべき点があると思ってます。いま日本が抱えている課題は、どれもこれもうんと長期の粘り強い、諦めないで続ける必死の努力が必要なんです。この政策を語るのはいいとして、その腰を据えて長期の取り組みができないと言いっぱなしに終わってしまいます。看板倒れの自民党には党員・党友の皆さまも国民の皆さまも、うんざりしておられるんやないでしょうか。
そこで高市、ああだこうだとうるさいくらいに明るく活発な総理官邸や自民党をつくります。国家・国民のため、現在だけではなくて未来の国家・国民のため、一緒に汗をかこうという人を集めてよく働くチームを作ります。安倍総理のとき総理室には自衛隊最高指揮官の旗が飾られるようになりました。自民党総裁となって、そして総理となったあかつき、私は自衛隊最高指揮官旗を自分の誇りとして自分を奮い立たせる「よすが」として毎朝、毎晩、決意を新たにする。そういう心持ちでおります。
次に内閣や執行部のつくり方については大いに皆さまに驚いていただきます。北欧の国々に比べても、それほど劣らないというほど女性がたくさんいる内閣や役員会。女性だからということではありません。機会平等です。ただ能力のある方、国家・国民のため、喜んで働こうという方々を、今までよりはるかに多く女性からも選んで活躍していただくというプランです。わが党は男女を問わず、みんなの憧れになる人材をたくさん持っています。組閣のときのひな壇や党執行部の集合写真は、今までで一番元気で明るいものにしたいと思います。
これからの自民党、男性も女性も全世代の総力を結集して立て直す。そういう時期です。何をやるにしても人間の力が土台です。女性にしてもですね。天井破りの女性の皆さま、あっちこっちおられるでしょ。もう各地からあっちからもこっちからも出てきてください。それが日本のためです。世界のためと言っても過言ではありません。もともと男だ女だというよりも前に、私は日本人としてこれからの日本の、日の本の国の行く末が心配で心配でたまらんのです。10年後、もしもいま何もせんかったら、日本がもっと悪い状況になっとるんちがうか。いま生まれた赤ちゃんも、18歳の人も、22世紀まで生きられるかもしれん方々です。その方々どうなるんや。そんなこと考えたら、もう夜も寝られんぐらい心配しております。
中でも今を生きる日本の政治家として、次の2つ以上に大切なことはないと固く信じてます。その1つは世界に1つとして類例のない長い長いそれは長い継続をもってこられた皇統を男系で引き継いでいかれますよう、皇室典範を変える仕事です。
もう1つは、文字面をそのまま追っていくと、なんか自衛隊が憲法違反みたいに見えてしまうと言われてきた日本の憲法、大きな欠陥を改めて、自衛隊の存在を憲法にきちんと書き込むことです。私は自民党総裁となりましたあかつき、持てる情熱を注ぎ込んで議論を動かしていく覚悟でございます。
高市、幸い丈夫です。特技は徹夜。2晩、3晩はもう全く問題ありません。でもそういうことも、もうこれからやりません。自衛隊の最高指揮官になるのであれば、また世界が見上げてくれる国をつくりたいのであれば、どうやって将器、つまり将の将たる器を持つか。そこが私の大きなチャレンジでございます。
ことしは戦後80年、日本の行く末を心配しながら亡くなったお一人お一人の祈りや願いをこの身に感じながら、私、高市早苗、日本をもう1度高い位置へと押し上げる。そして強い経済、強い国土、安全な社会を次世代に送ると決意をいたしております。どうかどうか皆さまのご支援を、力強いご支援を伏してお願いを申し上げます。ご清聴を賜りありがとうございました。