【書評-123】 原訳「法句経」一日一話
原訳「法句経(ダンマパタ)」一日一話
アルボムッレ・スマナサーラ
スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老。
スリランカの国立大学で仏教哲学の教鞭を
とられたのち、1980年に派遣されて来日。
ダンマパダ(=法句経)はお釈迦さまのことばに一番近い経典と言われている。その教え=真理を理解し日常生活で実践することが大切。
客観的事実を説く、相手に訊く。
これは良書。
【心に響いた教え】
怨みを捨ててこそ鎮まる。怒りは自分を汚染・破壊する。なにを言われても、されても自分の心に怒りの火を点けないこと。穏やか・和やか。
勝つ人は一人もいない。勝利者が勝ち取るのは敵意。敗れた人は苦しんで萎縮する。心穏やかな人は勝敗を捨てて安らかに過ごす。
勝ち負けを争うのではなく、自分の能力を発揮する。そのことによって自分に適した道が開かれる。
心を向上させることを楽しむ。自分の心を観る、呼吸を見つめる、歩くことを味わう、体の動きを確認する。自分の心を守る、一旦停止。
世の中だけでなく「わたし」も無常。
問題はつねにあるもの。
わたしたちは、人のことを、どうのこうの言えるほど立派ではない。自分の心がどのように動いているかよく観る。
心の清らかさ=嫉妬・憎しみ・怒り・貪りなどで心が汚れていないこと。仏教では捨てろ、捨てろという。心のなかになんの価値判断もない、だからとらわれがない。入ってくるものは受け入れる、しかもそれに執着しない。
自分は何も知らないと学び続ける、学ぶのは死ぬまで、教えてもらうのは死ぬまで。
他人の幸せを願う行為は自分のため、同じ波動が自分に返ってくる。自分の幸せは周りの人々の幸せがあってこそ成り立つ。
自由になる道は遠いもの。よいことを繰り返し行い、心によい癖をつけていけば、かならずそこにたどり着く。
どんなときでも、よいことをしようと心がける。
よいこと=自分が喜び、他人も喜ぶ行い。あとで思い出してもよかったと思える行動。心を清める。
ものごとは真剣すぎるのもよくないし、いい加減でも良くない、中道が大切。
みずからを拠り所とする。私は道を説くけど、それを実践するのは、あなた方一人ひとりの自由意志です。みずから実践して、そして体験としてつかめばよい。
時間軸は今の瞬間、空間軸はここ。真理は常に、今ここ。今ここでわたし自身が平和であること。
順次に少しずつ、そのつど、そのつど、磨く・努力する。
千のことばより一つの実行