【書評-49】 道元禅師の言葉
道元禅師の言葉 一言一言に救いがある
公方俊良
京都生まれ。天台宗系門跡寺院で得度。蒼竜寺住職。
道元禅師の正法眼蔵随聞記から人生の指針となる
言葉・不動の教えを取り出し解説する本。
【心に響いた教え】
道を求めようとすれば、中途半端なやり方でなく、徹底して捨て切り、非思量になる必要がある。善因善果、悪因悪果。生涯一事をなせば足る。
人の生き方は道理に叶ったものでなければならない。我執(我見・我慢・我利・我欲)を捨て先人の教えに素直に学ぶこと。あらゆるものは無常である、人によく思われたいと思う気持ちをなくす。自分は人生をどう生きるかというロマン、その実現に努力するだけで満ち足りて人生の生き甲斐や充実感が得られる。
一意専心。一事に専念することが、ものごとが成就するコツである。徳とは、自分の道を一心に修め、その道を慕う人・志が同じ人と共に道を修めていくこと。
稔るほど、頭を垂れる稲穂かな。どのような人の意見や忠告にも素直に耳を傾け、相手の良いところを学ぶようになればますます広い知識が身についてくる。
道を求めるための三つの柱
信念 目的追求の為の一貫した固い熱意・意志。がむしゃらな頑張り・根性。
心情 和を持って辛く苦しいことを楽しい雰囲気で行う。本当に良いこと、正しいことなら、やがて人の支持が得られ協力を得て大きく成長していくもの。
自戒 決めたことをやる、定められたことを守る
小人は人の言葉に腹を立て、大人は打たれても恨みに思わず。人を批判しない。見ざる・聞かざる・いわざる。
稽古は大根役者と思え。幕が上がれば千両役者と思え。いざ本番となれば揺るがぬ自信を持って舞台を勤める。
師を得る。嫌な面には目をつむり、こちらが惚れ込む。師から叱られ注意されても淡々として追随すること。
賢明な人は、悪いと思うことはやらず、善いと思うことのみ行う。
学びの多い書。道元禅師をイメージしながら
一気に読みました。