【書評-61】 禅のいろは を理解する
玄侑宗久
慶應義塾大学文学部中国文学科卒業。
京都・天龍寺専門道場に入門。臨済宗妙心寺派福聚寺住職。
いろは歌のテーマは死。
江戸時代にできたいろは歌のことわざを味わう本。
【心に響いた教え】
旅は道連れ世は情け。旅はここにいてもできる、諸行無常なる生そのもの。無常を無常のまま生きる。身から出た錆、覚悟を持って受け入れる。
良薬は口に苦し。余計な抵抗を持たずに相手が聞いてくれるように話す言葉を工夫する。まずは同調して、それから動かす。
幸福も連鎖する。嬉しい人は更に嬉しいことを無意識に求めているから、それが目につきやすい。
えてに帆をあげて。ときには調子に乗って帆を上げて冒険をしてみるべき。
人生に同じことは二度起こらない。心底そう思えれば油断もできないし予測をしない自然体も可能になる。
悩みや憂いにも実体はない、だから平安。