【書評-50】 あの超人気絶望しそうになったら道元を読め
絶望しそうになったら道元を読め
正法眼蔵の現成公案だけを熟読する
山田史生
弘前大学教育学部・国語教育講座教授。日本の文学研究者。
わたしの世界を生きている ことの意味について
日本曹洞宗の開祖 道元が書いた
正法眼蔵の冒頭に置かれた現成公案に答えがある、
その解説書。
【心に響いた教え】
人の評価を気にするなら、ものの道理を分かった人の評価を気にするべき。つまらぬ人間の目を気にすることはない。自分を卑下しない、やれば、なんとかなる。
やるべきとことは、さっさとやる、後回しにしない。世界は無常であり、自己もまた無常である。いま、ここ。
あれこれ手を出して、どれもモノにならないより、ひとつのことに専念して、どこに出ても恥ずかしくないくらいにマスターすべきである。坐禅はその気になれば、誰でもできる。天才とは努力を積み上げられるひとのこと。
ひとに褒められようという気持ちを捨てれば悩みはなくなる。悪いことをして、バレた方がラクになれると思えばビクビクしない。
仏道を学ぶものは、かならず貧しくなければならない。ものに執着しないこと、所有しないに越したことはない。迷いはあって当然、絶望せず、満足せず、ひたむきに修行しつづける。
それしかない。一生懸命にやらなきゃという気持ちがあるようではまだまだ。とりあえず、やってごらん。失敗したり、批判されたりするということは、やったということ。