【書評-115】 賢い人愚かな人
賢い人愚かな人
アルボムッレ・スマナサーラ
スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老。
スリランカの国立大学で仏教哲学の教鞭を
とられたのち、1980年に派遣されて来日。
心の安らぎを実感でき、社会の調和も守られる
生き方を考える肉厚な本。
【心に響いた教え】
事実をありのままに認め、じっくり立ち止まって考える。
他人ではなく、自分を観るべき。何をしているか、何をしていないのか。
自分の心の中に生まれる欲、怒り、嫉妬、怠惰などを観ながらそれらを取り去る。
自分と一体になる人格の完成を目指して努力する。人格がいい方向へ変わるか変わらないかを確かめながら生きる。つまり徳を積む。
何事も学びがある。
結果がうまく行くか行かないかということは悩まずに努力さえすれば良くなる。
悩みの原因は
余計な欲、余計な怒り、習慣・苦行まがいの行、しがみついていること。
自分で自分の周りの影響を選ぶことができる。常に自分より優れた人と付き合う。
悩み・苦しみは妄想の産物。どうすることもできない、解決方法がない問題については全く悩むのをやめて明るくなった方が得策。
失敗しても落ち込むことなく前向きに努力する。
自分自身の生き方に充実感を感じている人は認めてもらうかもらわないかということは気にしません。
正しくない行動は良い結果を生まない。
感謝して自分の過ちを直す人だけが成長してゆく(そのような人は多くはない)。
人を助けることは自分の幸福を確定する行為。
モノ・コトをためる習慣は不安から生まれる、ためたがる心は無常という真理に逆らっている。諸行無常、ためても変化は止まらない。
一秒でも惜しんで生きていれば余計なことを考えて悩む暇はない。まずは身口意を徹底的に落ち着く努力。死ぬ前まで清らかな心を作るために、自分のことを諦めてはいけない。人はいつでも立ち直ることができる。勇気と努力。
自分より精神的に優れた人、心清らかに暮らしている人と付き合う。何の恐怖感もなく未来に対して不安を持たない、心穏やかな生き方。
どうせ心には癖がつくので良い方向へ、あるいは正しい方向へ習慣づけるように気をつける。
善いことを繰り返し続ける。善い癖が着いた人は悩むことも苦労することもなくごく自然に善いことができるようになる。