【書評-103】 恐れることは何もない
恐れることは何もない
アルボムッレ・スマナサーラ
スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老。
スリランカの国立大学で仏教哲学の教鞭を
とられたのち、1980年に派遣されて来日。
仏教はこの世を生きる人間の生きた智慧。
この世の真理、永久不変の原理。
【心に響いた教え】
まず面倒なことに悩むのをやめる。人間はいかなる場合でも平等。心清らかな人こそ尊い人、自分という素材を生かす。自分の命は自分で守る。
心の働き 瞬間瞬間の感情の変化、身体の認識全般、生きていることそれ自体。
助かりたい、治りたい、という心が回復を促す。
人間の身体は道具、その支配者こそ心である。
心は機能、見る、聞く、感じる、知る、生きる。
求める刺激への執着から離れよう。
精進 心の怠けに克つ。
他人が自分のことを心配してくれるなど絶対に有り得ない、みな自分の事で精一杯。
心は怠けたい、怠けると退屈する、苦しい。怠けることもイヤだけど頑張ることもイヤだと苦しむのが心。
心の性質として、やりやすい、馴染みやすいことを最優先にする。
努力、欲は少なく、分け与える、奉仕する、怒らない、慈しみ。
最初に生まれてくる感情を使わない、一旦停止して、ごく波静かな善の感情。身体は関係ない、全ては心に関係ある。
中道 どこにも寄りかからない、超越した。判断しなくてもいい世界に自分を、心を置く。仮面を被らない、正直な人生が中道的な生き方。
人生にこれが正しいなんてひとつもない。自分に、他人にマイナスなことはすぐやめよう。
正見 すぐに判断しないで状況をよく把握する。やってしまったことを後悔しない。
正思惟 相手の気持ちになって考える。嫉妬を浄化する。
正語 見方、考える、話す。必要な要件だけ話して、無駄話をしない。
正業 道徳を犯して悪いことをしない。
正命 職業、正しくやれ。
正精進 心の穢れをなくす。
正念 いつも自分の心を見つめる習慣。ものごとはめまぐるしく変化している。
正定 楽しい瞬間を味わう。一切の行為について瞬間瞬間に徹底的に集中する。